最後の夜
「離婚した旦那のことで壊れてんのか?お前」

背中をさすりに来てくれた創祐の声が胸に刺さる。

痛い。
居たい。
イタイ。

「あのまま酒に殺されれば良かった…」

何とか絞り出した声で私は言った。

「お前を担いで歩いてたら、通りでお前の店の姉さんに会って聞いた。」
「何で見付けたの?私を。私は春樹のこと、世界一大切に思ってたよ!なのにこの仕打ちだよ…女だったら何でもいいって思ってたなら、お門違いなのに」

険しい顔の創祐に向かって、まくし立てる。

「お前、そんだけの事で死ぬ事考えてたのか」

低い声に身構える。
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