最後の夜
たった一つ経験した本気の最後…最期。

それは祖父との別れだろう。

小学生のときに亡くなった、大好きなおじいちゃん。

体も心も崩壊するほどの、最期。

それしか無い。

あとの最後は小さくて中身が無くて、過ぎ去ってしまえばそれで終わりのものばかりだった。

「最後ね…」

呟いて、酒を飲んだ。

それからどれくらいの時間が流れたのか、完璧に酔っ払って私は帰路についた。

結局、一発で私の心に入り込んできたあの曲をリクエストして、もう一度よく聞き直した。

MUNEHIROと言うアーティストが歌う、『最後の夜』と言う曲。
< 24 / 33 >

この作品をシェア

pagetop