最後の夜
取り囲んでいた男全員に捩伏せられ、殴られ蹴られ、きまりごとのように服を脱がされていく。

「てめえら、ぶっ殺すぞ」

虚しい怒号が空を切る。

一人の男が馬乗りになって体を動かしはじめる。

絶叫した。

叫べば誰か来てくれる。

そんな事を考えて気付いた。

ここは極端に人通りが少ない通り、民家もそばに無い。

『もはや、これまで…』

ぐっと目をつむって、行為が終わるのを待つしか無かった。

一人が終われば、次の男が入ってくる。

最後の方は、もうどうでも良くなっている私がいた。
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