最後の夜
「立てますか」

若干の抵抗を見せた私のそぶりに関わらず、彼は私の肩を抱き上げた。

隣に並んだ時、SAMOURAIの香水の香りがした。

「僕の名前は神田聡志って言います。歳は今年17で、こっちは地元じゃないんだけど仕事で来てます。」

聡志は私の暗い表情を吹き飛ばそうとしてくれているのか、笑いながら自己紹介した。
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