最後の夜
「別にいいよ。気にする奴じゃないし…何か嫌な事があったからあんなになるまで飲んで、泣いてたんだろ。」

図星。

「男の事だろうが?お前は昔からそうだからな。泣くのは男の事だけだった。友達のことや仕事の事で泣く事は、まず無い。」

気持ち悪いくらい言い当てられて、何故か心が温かくなった。

創祐は見ていないようで、しっかり見ている。

さすが、一番の男友達!

「男で負った傷は、男で癒せよ」

くわえ煙草で振り返り、笑った創祐に一発平手打ちをかましてやりたくなる。

「ありがとう。」
「礼なんか言うなよ。俺が遊びたくて呼んだんだからよ」
< 9 / 33 >

この作品をシェア

pagetop