【女の事件】とし子の悲劇・４～遺恨の破砕波（おおつなみ）

第13話

８月23日の朝９時過ぎのことであった。

場所は、鶴岡八幡宮付近小町通りにあるホテルにて…

さよことお見合い相手の挙式披露宴が挙行される日が、降り悪くお見合い相手の男性は今から２時間前に『取引先からクレームが来たので、朝イチの飛行機に乗って北海道に行く…』と言う電話があった。

お見合い相手の人が勝手なことをして、取引先の会社に大損害を与えたようだ。

挙式披露宴はさよこさんひとりになった。

電話の応対をしたアイツの姉夫婦は『しょーがないわね…』と言う表情を浮かべた。

新郎が不在の中で挙式披露宴を挙げることになったので、さよ子はブルーになった。

マリッジブルーにおちいったさよこは、気が乗らないと言うて、外に出て行った。

この時、派手なシャツを着た男10人のグループにはがいじめにされて、マゼンタのミニバンに無理やり乗せられて、遠くへ連れて行かれた。

「イヤ、助けて、助けて(お見合い相手)さーん!!イヤー!!」

さよこは、このあと走り去った車の中で男たちからきついレイプを受けた。

それから４時間後のことであった。

鶴岡八幡宮の近くにありますホテルにて…

アイツの姉夫婦は、さよこがいないのでひどく心配していた。

その時であった。

ホテルのスタッフさんがコードレスホンの子機を持ってきて『警察署から電話です…』とけわしい声で言った。

アイツの姉は、コードレスホンの子機を手にした。

「もしもし…茅ヶ崎の警察署…さよこ…さよこはアタシの娘ですが…さよこがおきざり…さよこが雑木林に置き去りにされた!?」

警察署からの知らせを聞いたアイツの姉は、ひどいめまいを起こして倒れた。

「どうしたのだ!?おい、どうしたのだ!?」

アイツの姉は、めまいを起こして救急車で病院に運ばれた。

その頃であった。

アタシ・とし子は、茅ヶ崎市の雑木林でさよこが男たちに集団レイプを受けた後、置き去りにされた事件を聞いたので、JR東海道本線の電車に乗って、茅ヶ崎へ行った。

アタシは、赤茶色のバッグを持ってJR茅ヶ崎駅で電車を降りた後、歩いて茅ヶ崎の警察署へ行った。

ところ変わって、茅ヶ崎の警察署にて…

事件担当の刑事は『これが現場の様子です…』と言うて、アタシに現場の様子を撮影した写真を見せた。

アタシは、現場の様子が写っている写真を見てビックリした。

さよこは、衣服や下着がズタズタに破れた上に身体中が泥だらけになるまで男たちに犯されて、雑木林に置き去りにされた。

さよこを集団で犯した男のグループは、身元不明のために割り出すことができなかったので、捜査は難航した。

一体だれが…

さよこを犯したのか…

その日の夕方、アタシは赤茶色のバッグを持って、電車に乗って横浜へ引き返した。

アタシは、真っ赤な夕日に染まっている相模湾を見つめながらこんなことを思った。

一体…

どう言うことかしら…

男のグループの目的がさよこを集団でレイプをした目的は…

男のグループの友人が…

アイツの姉夫婦からさよこと結婚することを反対されたので…

そのことを根に持って、事件に至った可能性が高いわ…

他にも…

何か裏がありそうだわ…

アタシは、また敦賀で暮らしている友人からめんどいことを頼まれるかもしれないと思っていたので、アタシの不安はさらに拡大した。

(さよこを集団でレイプした男のグループについては、家出して行方不明になっている男ばかりであることが判明したので、警察署は、神奈川県内各地の警察署に問い合わせて身元確認を行っている。)