【女の事件】とし子の悲劇・4~遺恨の破砕波(おおつなみ)
第6話
由比ヶ浜の家に居場所をなくしたアタシは、着替えとメイク道具をボストンバックに詰め込んで荷造りをしたあと、家出をした。

ダンナにズタズタにされて大きく破損した衣服とインナーと金具が大きく破損しているブラジャーとボロボロに汚れたショーツは家に置いて行くことにした。

アタシは、アイツ(ダンナのことは以後アイツと表記します)がズタズタに破損したアタシの衣服とインナーと金具が大きく破損しているブラジャーとボロボロに汚したショーツを、義姉の長女さんが使うチェストの中にそっと隠した。

荷造りが終わった後、アタシは着替えとメイク道具が入っているボストンバックと財布とスマホと貴重品が入っている赤茶色のバッグを持って、由比ヶ浜の家を出て行った。

由比ヶ浜の家を出たアタシは、鎌倉駅からJR横須賀線の電車に乗って横浜へ逃げた。

アタシが出て行った日に、義姉…いえ、アイツの姉の娘はお見合い相手から交際を申し込まれて本格的にお付き合いをすることになった。

しかし、先方さんの親御さんは息子さんがアイツの姉の娘とお付き合いをしても大丈夫なのかどうかとキグしていた。

アイツは、警察署に逮捕された後に鑑定留置のために鎌倉郊外の拘置所へ移された。

これから数ヶ月にわたって、アイツは精神鑑定を受けることになった。

かずひこさんは、傷は大したことはなかったが、目の前でレイプシーンを見たことが原因で心的外傷がひどいので、定期的なカウンセリングを受けることになった。

横浜へ逃げたアタシは、再びJRと東急の菊名駅の近くにあるマンスリーマンションへ移った。

バイトは、伊勢佐木町のマダムズバーで働いていた時にお世話になったママからの紹介でJR東神奈川駅の近くのイオンモール内のフードコートにあるケンタッキー(フライドチキン屋さん)でバイトをすることにした。

ケンタのバイトだけでは足りないので、横浜アリーナの近くにあるセブンイレブンとかけもちでバイトをして、再びおカネをためて行くことにした。

アタシは、今度こそは結婚以外の道を選んで生きて行こうと決意して再出発したが、由比ヶ浜の家との間に深い溝を残しままの再出発となった。

7月25日に、敦賀で暮らしている友人がアタシのことを心配して由比ヶ浜の家にやって来た。

友人が由比ヶ浜の家に来た時、アイツの姉は『とし子さんは、アタシやアタシの父ときょうだいや娘と夫をグロウしたのだから、ここへ連れてきて、アタシたちにあやまるように伝えてちょうだい!!』と言うてねじ込んで来たので、友人は困惑した。

その日の夜8時頃に、友人は横浜アリーナの近くにあるセブンイレブンにやって来た。

友人は、由比ヶ浜の家のアイツの姉がアタシに土下座をしてあやまれと言うたのでコンワクしていると言うたので、アタシは『そんなことは知らないわよ!!』と怒った。

アタシは、ゴミ箱の整理をしながら友人にこう言うた。

「あのね、アタシはアイツの家とは離縁したのよ…アイツのおねえがアタシに土下座をしてあやまれと言うけど、アタシはあやまらないから…それはアタシの言うセリフよ!!あんたね、いらないことに首を突っ込まないでよ!!」
「とし子…今回のことはアタシもいけなかったのよ…とし子が結婚したくないと言うたのに、もうしわけないと思っているの…とし子…ねえとし子ってば…」
「あんたの妹夫婦は、アイツにDVの前科があったことを分かっていてアタシとアイツのお見合いを強行したのから、あんたのことはものすごく怒っているのよ!!5度の暴力のうち、4度目のお嫁さんは殺されているのよ!!そのことを知っていてどうして止めなかったのよ!?」
「その時は、気持ちがあせっていたのよ…」
「気持ちがあせっていたからと言うけど、あんたは故意にアタシにアイツと再婚をしろと言うたから、もう許さないわよ!!」
「とし子…どうすれば許してもらえるの?」
「フン、そんなん知らないわよ!!」
「とし子…アタシは許してもらえなかったら生きて行けないの…」
「許してもらえなかったら生きて行けないって、なに寝たボケたことを言よんかしら!!」
「寝たボケたこと言うてないわよ…」
「あんたね、泣きそうな声で言わないでよ!!泣いたら許してくれると思ったら大きな間違いよ!!」
「とし子、どうすれば許してもらえるのよ?」
「あんたの妹夫婦をここへ連れて来て土下座させなさいよ!!アイツに暴力のリレキがあったことをインペイした以上、どんなに取り繕っても許さないわよ!!」
「とし子…」
「何なのよあんたは!!まだアタシに言いたいことがあるのかしら!?」
「あるわよ…妹夫婦もとし子が暴力の被害を受けたことをもうしわけないと思っているわよ。」
「だったらアタシに土下座をしてと伝えてよ!!」
「分かってるわよ…だけど、妹夫婦も気持ちがあせっていたのよ…」
「もう怒ったわよ!!あんたね、ここは職場なのよ!!人の職場にふらりとやって来てアタシの仕事のジャマや営業妨害をするのであれば店長を呼ぶわよ!!」

アタシは、友人にこう言うた後にゴミ箱の整理を再開した。

今のアタシは、アイツから暴力やレイプの被害を受けたので、ものすごく怒っていた。
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