竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
「竜王国に潜入して、隙を見て、私の手の者を竜王城の中に引き入れてほしいの。こちらから合図を送るから、それに合わせてあなたがお城の中から行動するだけの簡単なお仕事よ。お返事用としてその円筒を持っていってね。それ、小型の発煙筒なの。町はずれのどこかからそれで返事の狼煙を上げてちょうだい。人目につかないように気をつけてね。こちらからのお返事にまた合図を送るわ。その三日後に私たちが竜王国にお邪魔させていただくから、あなたには、それまでに引き入れる手はずを整えておいてほしいの」
 真っ赤なルージュに彩られた口角が不敵に上がりました。
 ヴァヴェル軍を手引きするのは私か~い! それ絶対に簡単なお仕事じゃない。
「うぇっ!? わわわわ私ですか!?」
 驚きすぎて変な声が出たわ。
 私は庶民で、ただの下っ端料理人。なのにどうして白羽の矢が立った!?
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