竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
「今のままスパイとして送り込んでも、竜王にはすぐにバレちゃうと思うのよ。でも、忘れてたら、さすがの竜王といえど、考えを読んだとしても本当のことはわからないでしょ? その薬はね、忘却の作用があるの。今までの記憶を忘れるの」
 ニッコリ。
 忘れてたらって、私の記憶をごっそり消すってことですか?
 めっちゃ笑顔だけど、言っていることがめちゃくちゃだ……。
 女王様の笑顔にさらなる恐怖を感じてきた頃、とうとう座っているのも難しいくらいに意識が朦朧としてきました。
「かなり効いてきたみたいね。そうそう、安心して。薬の作用は、こちらの合図で消えるようになってるから。ふふふ、今回は本気なのよ、私。竜王も、竜王国も手に入れるわ。だからがんばってね」
 夢か現か不たしかな意識の中、女王様の声が頭に響いています。
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