最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
「どうした? そんな驚いた顔して」


「あの……私の名前を知ってくれてたのかな……って…」


恐る恐る聞いた。


「当たり前だ」


「さ、さすがですよね。『グレースホテル東京』の従業員のファーストネームまで全員覚えてるなんて」


総支配人ともなると、本当にすごいんだな。


「それ、イヤミか?」


「えっ?」


「『グレースホテル東京』には、一体どれだけの従業員がいると思ってる? ファーストネームまでは、まだ数名しか覚えていない」


え? 数名?


なのに私の名前は覚えてくれてたの……?


もう、わけわかんない。


「わ、私の名前……覚えてくれてたの、奇跡です。一花なんて子どもっぽい名前だし」


「子どもっぽい? 俺はとても綺麗な良い名前だと思う。ご両親が思いを込めて付けて下さったんだ。そんな風に言わない方がいい」
< 34 / 257 >

この作品をシェア

pagetop