イケメン男子と疑似恋愛⁉︎

慌ててかばんの中に入れてあるスマホを取り出して、画面を開くと、『メッセージ一件』と通知があった。

えっ……？

もしかして……

そんなことを思いながら、操作していくと、【校舎裏近くの渡り廊下で待ってるね】と向葵くんからのメッセージだった。

………しかも、送られてきた時間は、今から十分前。


「もしかして、連絡きてたの？」


固まる私にそう尋ねる奈央ちゃんのその言葉に、コクコクと頷く私。


「……完全に向葵くん待たせてる…っ！」


パニックになる私をよそに身支度を済ませた奈央ちゃんは、今にも帰りそうな勢いでドアの前にいる。


「ままま、待って！奈央ちゃん、途中まで一緒に行かない…！？」


一人で行くのが不安だった私は、ダメ元で奈央ちゃんにお願いしてみるけど「だーめ」と断られた。