こんな溺愛、きいてない!
口を固く結んで、
視線を落としたまま

首を横に振る。
 

遥先輩が
悪いんじゃない。


私が遥先輩と
ちゃんと話をしようとしなかったから。



「今まで、なにも、知らずに、
本当に、…ごめんなさい。

で、でも、こんなに沢山の写真…
どうすればいいの?」


恐怖に震える体で
なんとか声をしぼりだす。


このたくさんの写真の向こうには
レンズを覗いている見知らぬ人達が
いるのだと思うと、

ゾッとする。



「それに関しては俺にいい考えが
あるから大丈夫」


なぜか余裕の笑みを浮かべた遥先輩を、
不安な想いで見上げた。


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