こんな溺愛、きいてない!
いつもながら
年齢不詳の艶やかさをまとい、
謎の圧で周囲を圧巻している。


で、でも、
本郷社長がどうしてここに?


「さっすが、
鈴之助の従兄弟だけあるわよねー、
素材が天下一品!

本当にこのまま
デビューさせちゃいたいくらいだけど」


本郷社長の長い爪先に
くいっと顎を引き上げられて、

本郷社長の怪しい目つきに
背筋が凍る。


「ど、ど、ど、どういう、
意味でしょうか?」


助けを求める様に
鈴之助に視線を動かすけれど、

鈴之助は慣れた様子で
パイプ椅子に座って、
雑誌なんて読んでいる。


って、その雑誌、
……鈴之助が特集されてる雑誌だ。


すると、遥先輩が
オドオド怯える私に、

ふわりといたずらな顔を向ける。


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