こんな溺愛、きいてない!
ホント、やることなすこと、
めちゃくちゃだし、

本気で頭にくることもあるけど。


気が付けば、
遥先輩と一緒にいると、
楽しくて嬉しくて。


遥先輩は、
だれよりも、
大切なひとになっていた。


「どうして、遥さんなの?

俺、遥さんより、
ずっと凛花のこと知ってるよ?」


私だって、
だれよりも鈴之助のことを知ってる。

でも、鈴之助に対する気持ちと、
遥先輩に対する想いは、
……違う。


「どうして俺じゃ、ダメなの?
俺、これからもっともっと、
いい男になるよ。

遥さんより、ずっといい男になって
凛花のこと、幸せにする。

だから、
凛花、俺のこと、好きになって。
俺を選んで」


気が付けば、見上げるほどに
背が高くなった鈴之助。


鈴之助の金色の髪から覗く丸い瞳は
真剣そのもので
必死で語る鈴之助が

愛おしい存在なのは変わらない。


だからこそ。


目を伏せて、
すっと顔を斜めに近づけてくる
鈴之助の唇を

手のひらで受け止めた。


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