こんな溺愛、きいてない!
「俺は、初めて会ったときから、
凛花のことしか見てない。
凛花だけが、特別なんだよ」


私にとっても、
今、こうして遥先輩と過ごせる時間は
すごく大切。

強引だし
めちゃくちゃだけど、

こんなに
私のことを
想ってくれる人はいない。

一緒にいて、
こんなに心が震えるひとは、いない。


でも……

親公認っていうのも
よく分からないし、

なにより……


「どうして遥先輩は、
私にそんなにこだわるの?」


遥先輩にふさわしい人なんて、
ほかにいくらでもいるはずなのに。


「幼稚園でたった数か月
一緒にいただけなのに、どうして?」


遥ちゃんが引っ越してから
この高校で再会するまで

10年近く会ってなかったのに。


遥先輩にうながされ

歩道に置かれたベンチに
並んで座る。



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