こんな溺愛、きいてない!
放課後、
私の教室へとやってきた遥先輩
をじっと見つめる。


「よっ、どうした凛花?」


「ううん」


「腹減ったのか?」


「減ってないよ」

と、答えたものの
ホントにどうしたんだろう?

なんだか、おかしい。


「なに、見てんだよ」


「見てない」


うーん、なんだか変だ。


さっきの光景を思い出すと
気持ちがざわりとする。


「凛花、大丈夫か?

じっと睨みつけたまま
停止してるぞ」


今、ここにいる遥先輩を見ても
なにも感じないのに、

胸に異物が刺さったような
この違和感は
どこからくるんだろう?


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