Brillante amore! ~愛と涙のアオハルstory~
その日の昼休み。
清掃活動の班が同じである私とけいは、掃除場所である生徒玄関から教室へ一緒に戻っていた。
「ねぇ、朝あれで良かったんかな?」
私がそういうと、けいは不思議だという顔をする。
「なんで?」
え、聞いちゃう?
「だって、喧嘩売りすぎたし。」
「そういう時も必要。」
まぁ確かに。
「それに、僕は嬉しかったよ」
「え?」
「美玲は僕のものって言えたから。」
そうなの?
「それに、これから堂々と美玲にキスして言い訳でしょ?」
「それは良くない。」
「なんで?」
それ、聞くか。
「理由は3つ。まず、公共の場だから。次、役職の仕事をするって言ったあの宣言に反するから。」
「えぇ、じゃあ言わなきゃ良かった」
…殴るよ?
「――あと、キスとかは2人きりのときがいいから。」
ちょっと言ってて恥ずかしいや。
「そうか。」
「うん。」
ちょっとしんみりした空気が流れる。
と、そこへ。
「あ、そこの2人!」
って、私とけい?
「何、部長?」
けいが聞く。
「何じゃないの。幹部会するっていったでしょ。」
――そういえば聞いたような。
「美玲とけいの席の周りでやるから今日は。来て。」
え、席の主の許可はないの?
「「了解。」」
2人で返事をし、自分の席に座る。
「で、今日はミニ演奏会について?」
微かな記憶を頼りに、みんなに問う。
「そう。」
「忘れてた?」
「来週だよ。」
「学指揮、書記の仕事。」
……みんなひどくない?
「ってか使える曲ってどのくらいあるの」
私らのレパートリーは覚えているけど、一応聞いてみる。
「あぁ、それはうちとりんで譜面もってきたよ。」
あやがなんてことない、と言う風に答える。
「仕事早いね」
ゆう、褒めるね。
「何曲用意すればいいの?」
けいの質問にみんなは考える。
あぁ、それなら大丈夫。
「一応1年生勧誘についてExcelで纏めてきたけど。」
紙を出す。
すると、怖い顔をして睨むりんとけいがいた。
「一昨日暇だからつくったの」
そう弁解すると、りんはため息を着く。
「頭いいからって勉強しない言い訳にはなんないでしょ」
うぅ、手厳しい。
「そんなんだからテスト僕に負けるんだよ」
はぁ!?
「たった2点の差でよく言うわね?」
「それでも勝ったのは僕だよ?」
「…っ」
正論すぎて何も言い返せないでいると、ゆうがおずおずと口を開く。
「え、2人とも何点だったの?」
「それ気になる」
あやも?
私はけいと目を見合わせる。
「じゃあ美玲、どうぞ」
はいよ。
「484だけど」
正直な点数を答える。
「「「はぁっ!?」」」
ちょ、声でかい。
教室中の目線が私たちの元に集まる。
「いや、戦いハイレベルすぎ」
あらそう?
「じゃあけいは486ってことか」
「そうだね」
――悔しい!
「何食べたらそうなるん」
え、別に何もしてないけど。
「まぁまぁ、議題戻そう。」
話題ずらしたのはそのけいですけど!?
「この表これだけ?」
すっかり戻ったりんに聞かれる。
「いや、幹部の分はある。いる?」
「いるよ」
じゃ配るか。
私はみんなに配りながら続ける。
「あと先生2人、リーダー4人の分はある」
「じゃあ、話し合い確定したら設楽先生に報告して、印刷してみんなに配ろ」
「そうね」
その後の幹部会はスムーズに進み、音楽室での並び順や誘導もきまったのであった。