医者の彼女
「あの、瀧さん…」

和弥「先生。」

「えっ?」

和弥「病院ではそう言えっつったろ?」

「……」

和弥「看護師たちに変に思われたくないだろ?」

…あ、そういうことか。

和弥「…で、何?」

「えっ⁉︎」

和弥「いや…。用件は?」

「あ。あの…薬。まだ飲まなきゃだめですか?」

和弥「当たり前。喘息はそう簡単には治らないの。
また辛い思いしたくないだろ?油断は禁物。いいね?」

「…はい。」

なんとなく予想しなくもなかったけど、
こうもきっぱり言われるとヘコむなぁ…

和弥「バイトは?夜遅くまでとか働いてないだろうな?
不規則な生活も喘息を悪化させるからな。」

そんなこと言われても…
働かないと生きていけないんだもん。

…ま、そう言っても怒られるだけだから黙っておく。

「…はい。」

和弥「…働く気だな。」

ぼそっと言われ、よく聞こえなくて聞き返したら、

和弥「…いや。…無理はしないように。」

とだけ言われた。
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