医者の彼女
慶太さんと別れて呼吸器内科のロビーで待つ。

〈春川さん、診察室8番へお入り下さい。〉

友里「亜妃、行こっ♪」

私より先に立ち上がる友里。

「…1人で行けるよ」

友里「いいから、いいから♪」

手を引かれて診察室に行く。

トントン
友里「失礼します。春川です、お願いしまーす‼︎
…わっ、本当にカッコいい…」

ドアを開けるなりそんな事を言う友里。

「ちょ、友里‼︎なに言ってんのよ…もう。
…外で待ってて。」

そう言ってドアを閉める。
気まずくなるの私なんだけど…

「…おねがいします…」

よかった、今日は違う看護師さんだ。

和弥「調子はどう?」

「はい…大丈夫です…」

みさき達が変な事言うから、意識しちゃって
目合わせられないよぉ…

和弥「じゃ診察してくな。…
あ、俺ちょっと病棟に…常田さんすみません、
書類が病棟にあると思うんで、
受付に持ってってもらっていいですか?」

そういうと、看護師さんはニコッと笑って
出て行った。

和弥「…あの人、常田先生の奥さんな。
常田先生、覚えてる?」

…あぁ、あの人。なんとなくだけど思い出す。
そういえば、あれ以降バイト先に来てないな。

とりあえず頷く。

聴診されてる時、ふと手を止める和弥さん。

和弥「フフ…今日緊張してる?」

「……。」

してます、めちゃくちゃ。
下を向いたまま顔上げられない。

和弥「…うん、だいぶマシになってる。
あれから…発作はおきてない?
薬はちゃんと飲んでる?」

「…はい。」

あの日以降発作はもちろん、調子が凄くいい。
苦しくもならないし、咳自体そんなに出ることがない。


そういえば、薬…まだ飲まなきゃかな?
意外と出費になるし出来れば、飲みたくない…

1週間症状ないんだし、もう飲まなくても良さそう。
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