早春
いついかなる時でも、
自分は自分らしくある人にとても嫉妬をしてしまいます。
それは、かみそりで切った手首の傷よりも深く、私を蝕みます。
一本だけ口に入った髪の毛がなかなか口から離れないように、
彼らのそれも悪気なく私のそばから離れません。
暖色のLEDは私だけでなく部屋の隅々まで照らしてしまいます。
それが何ともこっ恥ずかしく、どこか温かく、
彼らに似たようなものを感じます。
春の太陽のような陽気なにおいがします。
それを横目に通り過ぎ、
買ってきたお惣菜をそのまま口に運びます。
とても切ない気持ちになり、お惣菜を捨ててしまいます。
ゴミ袋に吸い込まれていく食べ物だったものが、
私を睨んでいるような気になりました。

Q.私は何なのでしょうか。
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