ねえ、知ってる?【上】
「男として見られてないのって、まあまあショックだけどまー良いや。聞いて欲しいのもあの年上の人の話?」
少しだけ大和くんの顔が寂しそうに見えたのは、私の気のせいなのかもしれない。
「男として見られてないのがショック」と言った訳が気になった。
どうしてそんなことを言ったのだろう。
いつもと同じように接していたはずだったけど、確かにいくら友達でも男の子の部屋でベッドの近くに座っちゃうなんて、反省しないとな・・・。
「う、うん・・・」
私は昨日の話をした。
話しながらまた胸の鼓動が早くなるのがわかった。
「なるほどね、雅暉さん優しいな。苗が雅暉さんに気があるってわかっててしてたなら、それは優しさの暴力だけど。なんかそういうの鈍そう」