ねえ、知ってる?【上】



 私は前と同じようにベッドを背に腰掛けた。


「大和くん、あのね、聞いて欲しいことがあるんだけどさ・・・」


 私は目の前にまだ立っている大和くんを見上げた。


「・・・・・・・・・。苗ってほんとに俺のこと男として見てないのな」


「え・・・? なに?」


 いつもとは少し違う笑顔。


 口角を半分だけあげて、頭を少しかきながら言った。


「いくら俺だとは言え、すんなり家に来るし、そんなところに座るし」


「えっ、あっ・・・・・・ごめん!」


 私はベッドからすぐに離れて座った。


 
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