ねえ、知ってる?【上】
それから私と陽十香は次に来た電車に乗り、二人にもう一度別れを告げた。
「は~、今日楽しかったね!!」
「うん・・・。ご飯おいしかったよ」
本当に今日は楽しかった。
久しぶりにみんなで集まれて、たくさん話が出来たし、友達の家でご飯を作って食べるなんて経験したことがなかったので、とても嬉しかった。
「苗・・・・・・、大和のこと、どうするの?」
「・・・・・・・・・わかんない・・・」
陽十香と二人きりになった時から、そのことについて聞いてくるとは予想していたけど、それでもやっぱり答えが詰まってしまう。
「大和さ、雅暉さんのこと良い大人じゃないし、やめなよって言ってたじゃん・・・? 苗のことキープしてるだけだって」