ねえ、知ってる?【上】
好きになった時からわかっていた。
私と雅暉さんの年の差が11もあって、私はまだ未成年で、一歩間違えれば雅暉さんが悪い人になってしまう。
ずっと雅暉さんに触れてみたかった。
陽十香と雨野くんを見ていて、二人みたいになれたらな、と思うこともあったけど、実際に私が雅暉さんと付き合っているところは想像出来なかった。
自分が雅暉さんを好きなだけで良いと思っていた。
誰かを好きになれた気持ちがとても愛おしかったし、大切にしたいと思っていた。
『好き』には終わりがない。
だけど、『恋人』になれば遅かれ早かれ終わりが来てしまうのではないか。
それなら私はずっと雅暉さんを好きなこの気持ちをなくしたくはない。