女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

「太ったって言ったって、細いんだろ? 前にスカートで帰ってきた時、見えてる脚が細くて」

 そこまで言って、口を片手で覆う。
 
 あんなに拒絶していたくせに、しっかりそういう目で見てましたって、洒落にならない。

 遥は、言葉の意味に気がついたのか、顔を上げ、こちらを窺っている。

「悪いかよ。見えれば見るだろ。俺も男なんだよ」

「だって、女を象徴する全部が嫌って」

「だから、女は嫌でもハルはいいんだよ。中身はお前だろうが」

「中身はお前」ブツブツと、小っ恥ずかしい台詞を抜き出して、復唱する遥の頭をかき回す。

「寝よう。もう寝よう。眠れなくても寝るんだ」

「お風呂、せっかく起きたので入ります。煮物を食べてから」

「ああ、俺もそうしよう」

「一緒には、入りませんよ?」

「入ってたまるか」
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