女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
「格好くらいつけさせろ。エンゲージリングでも、贈ろうかと思ったけどな。プレッシャーになるかと思って。ほかにプレゼントが思いつかなくて」
さらりと告げられる、エンゲージリングに鼓動が速まる。
「私、こんなにもらって、返せないです」
なにもかも、もらってばかりだ。
「一緒にいてくれれば、それでいい」
そう言われても、申し訳ない気持ちが先に立つ。
遥の心を読んだのか、晶は付け加えた。
「俺の誕生日は4月だ。その時に盛大なプレゼントを期待してるから」
なにを返せるだろう。
それでも、返せる機会があるのだから、今は甘えよう。そう思えた。
「お洒落そうなイタリアン予約した」
「わあ」
「案外、そういうベタなの好きだよな」
「アキは、いいんですか?」
「なにが。パスタは好きだ」
女が好きそうな場所は、嫌いだった。
けれど、今は遥が喜ぶのなら、それもいいかと思える。
嬉しそうに顔を綻ばせる遥を横目に、晶は頬を緩ませた。