女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

「その装備を外してから、俺とキスしよう」

「キス、ですか」

 拍子抜けして、晶をまじまじと見つめる。

「なんだ。ハグか?」

「ハグは、するもんじゃないって」

「じゃ、食べるもんだな」

 プッと吹き出すと、晶が優しく言った。

「動揺して大人げなかった」

「私も、すみませんでした。以前、化粧臭いだとか、すごい暴言を心の中で言っているって聞いていたのに」

「ああ。今も、化粧臭くて鼻が曲がりそうだ」

「お、お風呂、行ってきます」

 逃げるように遥が離れていき、晶はソファに深く座り直した。

 これでよかったのだろうか。と、考えながら。
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