女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順

 晶が手を動かし、頭の上に置いた。
 それだけで、遥は体を固くする。

 置かれた手は、髪をワシャワシャとかきまわした。

「ったく。「眠れないような状況に、なるのかと」が、聞いて呆れる」

「だって」

 だから別で寝よう。
 そう続きそうな台詞は、思ってもみなかった言葉につながった。

「まあ、拒絶はできた方が、俺も助かる」

「アキも、怖いから?」

「ハルが嫌ならしたくないって言ったろ」

 優しく言われた内容に、胸がギュッと掴まれ、思わず晶に抱きついて言う。

「アキ、大好き、です」

「あ、ああ」

 ギュッと抱きついてくる遥に、顔がにやけそうになって困る。
 無邪気な『大好き』が、これほど嬉しいだなんて。

「いいから、もう寝るぞ」

 頭を撫で、顔を見合わせると、今一度優しく唇を重ねた。
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