女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
「遥ちゃん、急にミーティングに呼ばれて」
「ミーティング、ですか。それは、作業長と?」
「あらやだ。そんなに男前なのに、嫉妬?」
「え、いや。そういうわけでは」
嫉妬、しているのか、俺は。
だから、もやもやしていたのか。
男を感じないであろう、中世的だという作業長。
その方が、遥と親しくなれる可能性が高い。
それを喜ぶべき変化とは、受け取れない自分がいた。
「ミーティングって言っても、空いている部屋で話しているだけだから。心配なら覗いてきたら」
「通路を出て、突き当たりの部屋よ」
なにをミーティングしているのだろう。
まさか、二人きりなのか。
そう思うと胸騒ぎがしてノックもせず、扉を開けた。