女嫌いと男性恐怖症:付き合いの手順
「ハル? 風邪ひくぞ」
ぬくもりを感じて、その腕にすがりつく。
知らぬ間に眠っていたようだ。
目をこすり、寝ぼけた声を出す。
「アキ。おかえりなさい」
「ああ。ただいま。飯はいいのか?」
「うん。眠いです」
胸元に顔を擦り付け、体に腕を回す。
「おい。こら。着替えられないだろ」
叱っているのに、甘やかすような、そんな声を聞いて、腕を首元に巻きつけ直した。
「アキ、ただいまのキス」
息を飲んだ晶が、ため息を吐いた。
「ったく。寝ぼけてると殺人級」
文句を言いつつも、軽く唇を合わせ、遥を膝に乗せるとソファに腰を下ろした。
そして、唇を甘く喰んで「ただいま」と、もう一度言った。
「寝るのか」
「ん」
「風呂は」
「ん。アキと離れたくない」
心地よいぬくもりに、再び目を閉じた。