不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
妹が居なくなったところで、俺たちも自己紹介をする。
それも普通じゃない自己紹介だ。
「俺は、瞬間移動のできる能力者、駆(カケル)」
ピクリと全員反応するのは、先程の登場がそうだったからだろう。
「僕は、まぁ、わかってると思うけど、精神感応のできる能力者、綾人(アヤト)」
動揺を見せるのは、あの日あの場にいなかったショウとコウヘイとかいう男達だ。
この感じは…まだ信じきれないって感じか?
話の前にまずは俺たちの力を含め、信用を得る必要があるなと思っていると、
《カケルくんから話してよ》
頭の中から、隣にいるはずのアヤトくんの声がした。