不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
「あの研究所内部は1つの部屋を除いて、力を使うことができない。俺とアヤトくんじゃ無理なんだ。頼む、協力してくれ。あんたらに取った失礼な態度も詫びる。だから、リンの救出と、研究所の破壊を…!」
カケルの声はどこか悲しそうだが、覚悟のある声だった。
これまでの話が嘘じゃないことがすぐにわかった。
彼らはずっと信じてきたものに裏切られ、自分達が育った所を無くそうとしている。
そして、リンちゃんを救おうとしている。
それは俺たちと同じ事だ。
研究所の場所の特定ですら手を焼いてる俺たちにとっては、彼らが味方になってくれるのは本当に心強いし、内部情報も手に入れることができる。
願ってもない好機だ。