不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
俺は、アヤトみたいな超能力はないが、ここにいる全員が同じことを考えているのがわかる。
それでも、ここの決定権は全てアカリだ。
アカリが「NO」と言えば、俺たちもそれに従わざる得ない。
チラッとアカリを見れば、漆黒の瞳に一筋の光が見えた気がした。
………心配いらなかったか。
「行くぞ、お前ら」
俺たちはそれぞれ返事をする。
どうやら彼らも緊張していたらしい。
同時に、カケルとアヤトが安堵の様子を見せた。
それもそうか…
元とは言え、敵地に来ること自体、勇気のいることだ。