Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「夏川って2組だっけ?」
「ん? そうだけど。なんで?」
「鞄持ってきてあげるから」
今日は幸い月曜日。唯一7時間目が無い日だ。
掃除が終われば下校となる。
「は? 良いよ自分で行くって」
「……あんたその悲惨な顔晒すつもり?」
「あ……そんな酷い?」
そう言う夏川の顔はお世辞にも大丈夫とは言えなかった。
目と鼻は赤くなって、泣いたことが一目瞭然だ。それに、男達に殴られたから痣もあるし唇は切れている。
それにただでさえ注目されやすい夏川だからそんな顔をしていったらどんな噂が流れるか分からない。
「酷い。ここで待ってて」
「ん。ありがとな」
「あ、置き勉派?」
「おう」
「だと思った」
私は夏川をそこに残して、校舎へと入った。
「ちょっと……なんで橘(たちばな)さんが……?」
私が2組に入るとそんな声が聞こえてくる。
聞こえてるよ。全く。
あ、そうそう。橘というのは私の名字だ。本名は橘優子という。
座席表で夏川の席を確認し、机の横に掛かっていた鞄を持つ。
「え、何で橘さんが夏川君の鞄を……?」
「あの二人って繋がりあったか……?」
だから、聞こえてるってば。
それを肩に掛けて廊下に出、自分の教室――3組に入り自分の鞄を持つ。
その間も教室の視線が私に集まっているのが分かる。
ったく、なんでこの学校はこんなに居心地が悪いんだ。