愛する人を見つけた

運良く 部屋は空いていた。


早速 内覧した私達。

濃茶のタイル張り。

オートロックの5階建てマンション。


空いているのは 3階の角部屋。
 

「ユズ いいんじゃない?」

明るい笑顔で言う隆三。
 
「うん。いい。広いし 綺麗だし。それに 陽当たりもいいね。」

南向きのバルコニーは 前が道路だから。

とても明るい。
 

「ここに決めよう。」

と言った後で 隆三は 私の耳元で
 
「お風呂も広いよ。」

と囁いた。
 
「やだ、リュウ。」

と私は顔を紅くする。
 


いつか 二人で住みたいと 思っていた部屋。


本当に 住む日が来るなんて。

しかも こんなに早く。



嬉しくて。幸せで。



私達は 見つめ合ってしまう。
 
 


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