もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「すみません、少し休ませてもいいですか?」
「あっすみません。寝室に行きましょうか」
神永さんが慌てたように寝室への扉を開けて誘導してくれた。
私は目に入るものすべてに頭が痛み刺激が強く感じて、恭の胸に目を閉じたまま額をつけた。

恭が私が使っていたという寝室の大きなベッドに私を横にしてくれた。

「薬を飲ませるので、お水いただいてもいいですか?」
恭が神永さんに声をかけると神永さんはキッチンへ向かった。

「鈴」
恭に呼ばれて私は目を開ける。

「聞きたくないか?」
「え?」
「最近の自分のこと。聞かないほうがいいか?今は」
「・・・少し休みたい・・・頭がパンクしそう・・・」
「そっか」
「でも・・・聞かないといけない気がする・・・」
恭は戸惑っている私の顔にかかった髪を撫でた。
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