もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「神永さんは病室の外で待ってる。」
「神永・・・さん?」
「イベントのメインゲストだった神永嶺さん。」
「・・・」
「鈴の過去を知っている人だ。」
「・・・」
恭は少し困ったような表情をした。
そして私の手を握ったまま話を続ける。

「鈴が怖がる気持ち、わかってる。」
「・・・」
「神永さんはイベントに出演した後すぐに駆けつけてくれたんだ。でも、俺から鈴が記憶を失っていることを伝えたら、鈴を想って病室の外で待つって言ってここには入っていないんだ。」
恭がこんなに話をするのはめずらしい。
「怖かったら逃げてもいい。知りたかったら向き合えばいい。」
「・・・」
「鈴が望めば俺はここにいる。」

いつもカウンセリングをしているときはこうなのだろうか。

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