恋って西洋風グミの味?
「だって、あんな人だなんて思わなかったんだもんーー!!!」

また泣き出すあたし。

「まてここで泣くな、俺が泣かせたみたいじゃないか!!!」

ああ、言われてみればその通りだ。

「…でも、大槻って意外と普通に話せるんだね。なんか話してると安心する~。」

「へっ?」

大槻の声が裏返った。顔がやっぱり赤くなってる。

「だって、学校じゃずっと本読んでるだけで、「何考えてるかわかんない系」じゃない?友達だっているの?って感じじゃん。だけど実際二人で話すと全然普通ー意外だよ。」

「学校は退屈なんだよ。」

「じゃぁこれから退屈じゃなくなるじゃん」

「どうして?」

「神菜がいるからに決まってるじゃん」

「お前なぁ…」

ぐしゃっと髪の毛をかく大槻。そして横を向いてしまった。

「いいか、お前と俺は、学校では相変わらず他人。こうしているときだけ友達。それでいいか?」

「…?なんで?」

「・・・・俺は学校では誰とも話したくないの。」

「何それ、つまんないよ。せっかくこうして仲良くなれたんだから友達でいいじゃん」

ぶすっとするあたしに大槻は、突然手をあたしの頭の上にぽんと置いた。

「神菜、お前と俺が話すと、お前に迷惑だろ」

その大槻の大きな手に、正直ドキッとしてしまった。
そして大槻のまじめな顔。初めて正面からまともに見たかもしれない。
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