恋って西洋風グミの味?
そのあとも、他愛ない会話を一時間ほどして喫茶店「プリンス」を出た。

「やーすごい喫茶店だったね」

なんて神菜が感想を述べながらそこを出た。

「じゃぁかえろっか。」

「了解。じゃぁ俺あっちだから。」

と言うと、神菜が、ぽつりと

「ごめんね」

と言った。

「何が?」

横を歩いてる俺は不思議に思って立ち止まって神菜を見た。

「あたし、大槻のこと全然信じてなかったね。噂話ばっかり聞いて、結局こうして説明されるまで認めなかった」

「…おい、そう言う話は喫茶店の中でしろよ…」

「ごめん、なんとなく言いたくなって。」

「別に気にしてないからいいよ。」

「ぶっちゃけるとさ、正直わかんなかったの。」

「…?」

「色々あったでしょう?どれが本当の大槻だかわかんなかった。」

そういうと、神菜はにへらっと笑って、

「ま、今でも分かんないんだけどね!」

と言って歩き出した。


俺はどうしても一言だけいいたくなった。

「結局神菜はどの俺がいいわけ?」

「ん~…………飲み会の時決める」



そう言うのはな、彼氏に言うもんなんだぞ。

そう言いたかったのを俺はぐっとこらえた。
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