恋って西洋風グミの味?
「まぁ、明日ちょっと出かける予定があってさ。初めて会う人とかいて、そう言うところあんまり私服じゃ行かないからさ。」

と、大槻のことは省いて適当に言ってみた。

「ほぉ~…神菜ちゃんが自主的にそう言うところね~珍しいじゃん。」

「や、誘われて、なんだけども…」

だんだん小声になるあたしを千鶴は面白そうに見ていた。

「ふ~ん…まぁいいけど。あたしならワンピースかスカート。可愛く見られたいもん。パンツもボーイッシュで捨てがたいけど、やっぱりかっこいいよりも可愛いのほうがいいかな~。個人的にはだけどね」

「あ~やっぱりか~じゃぁ頑張っておしゃれしようかな…」

「何々?かっこいい人とか来るの?」

千鶴は興味津津だった。

「もしかしたら、いるかもね。」

ちょっと得意げに笑って言うあたし。もともとあたしの知ってる場所じゃないっつの。

「頑張れ~もしかしたら、タク先輩に続く素敵な彼氏ができるかもよ!」

そう言ってバンっと背中を叩かれた。


ああ…そっか…彼氏かぁ…

「う~ん。彼氏は当分こりごりかも~」

と、苦笑いを浮かべるあたし。

「まぁそうよね、別れたばっかりだもんね。」

「その憂さ晴らしって感じかな。」

「明日ははっちゃけて、先輩のこと何て忘れてきてしまえ!」

と言うと、千鶴はまたあたしの背中をバンっと叩いた。


そう、彼氏は当分こりごり…これが正直なところ。
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