俺様社長は溺愛本能を隠さない

「全然良いと思います」

素直な感想を言うと、花輪さんはテンションをさらに上げてこちらへ身を乗り出した。

「ならすぐに連絡して会ってみましょう! もう絶対気に入るから!」

圧に押されて「はあ……」と頷くと、彼女はテーブルの脇に置いてあった卓上カレンダーを手に持って、ルンルンで日付を選び始める。

でも、確かに悪い話じゃない。

プロフィールは申し分ないし、写真は優しそうな顔だし。
普段、都筑さんの顔を見慣れているから麻痺しているけど、十分格好いい部類だ。
私みたいな平凡な女がお付き合いするには十分すぎる人だろう。

一回くらい会ってお話したって、バチは当たらないよね。

まだマッチングしていないのに、来てくれたお礼にとノベルティの入浴剤を持たされ、私は相談所を後にした。

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