イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
ぜーはー、涙目で呼吸を整えるわたしとは対照的に、体を折って大爆笑する坂田くん。
うぅ、悔しすぎる。
なんなの、この余裕。経験値の差?
「それはそうと、いい加減“坂田くん”は止めれば? 名前で呼べよ」
まだ口元を綻ばせたままの彼に強請る様に言われたけど、仕返しとばかりぷんってそっぽを向いてやった。
「イヤです。絶対呼びません!」
「お、反抗的。ま、いいや。いずれベッドの上で呼んでもらうから」
はっ!?
「んなっ! な、な……!」
再び笑い出す彼に、もう言葉が見つからない。
し、白旗を上げよう。
タオルを投げよう。
わたしの負けだ。彼にはかなわない。
げっそりしながら腕時計を確認すれば。
まずい、もう結構な時間が経ってる。
早くこの場を退散しなくちゃ。
「わたし、もう戻――」
「美弥子はもう少しここで休んどけ」
くしゃりとわたしの頭を撫でてから、坂田くんは長い足をドアへと向けた。
「え? でも……」