イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「え……そ、そう?」

口ごもるわたしに、ぐいっと無遠慮に近づく顔。
あの蠱惑的な香りにふわっと包まれ、ドキッとした。
「髪下ろしてるし。可愛い」

「あは、は……ありがとう」

こういうセリフ、意識せずにサラッと言えちゃうんだからな。
そりゃモテるはずだ。

「もしかして、中村も行くのか? 親睦会」

「あ、わたしはちょっと、予定があって」
行けないの、と首を振ると、「なんだ、残念」って彼の顔が曇る。

「話せるかもって思ったのに」

本気で残念がってるみたいな口ぶりで言われて。
社交辞令だとわかっていても、ドギマギしてしまう。

そうやって、みんなにほいほい甘い顔してるから、強引に迫ればもしかして、とか期待しちゃう女子が出てくるんだよ。
ため息交じりに考えつつ――

そうだ!
といきなり閃いた。

ここで会ったのも、何かの縁だよね。
忠告だけはしてあげようかな?
今日の親睦会、気を付けた方がいいよって?

< 14 / 539 >

この作品をシェア

pagetop