イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

女ったらしっていう一点で、なんとなく苦手意識を持ってるけど。
露骨に事務職を下に見てくる営業マンも多い中、誰に対しても変わらない彼の態度は、素直に素敵だなと思うし。
新入社員研修の時からずっと、同期の中心でみんなをまとめてくれて。
年に一度の同期会だって、最初に坂田くんがやろうって言い出してくれたのがきっかけだったし。
そういう行動力とか、尊敬してるのは本当だ。

そんな彼が女性に振り回されるのは、ちょっとかわいそうかもしれない。
ここはひとつ、同期のよしみってことで助けてあげますか。

……よし、と心を決めて。

「ねえ、坂田くん――」

口を開いた瞬間だった。チンと軽い音が響いたのは。
するすると開いていく、目の前の扉――途端。

「「「きゃあっ坂田さんだぁ!」」」

鼓膜を突き破る勢いで聞こえた、黄色い声。

「悪い、待たせちゃった?」

エレベーターを降りた坂田くんにさっそくまとわりついているのは、頭からつま先まで、盛れる限りの女子力盛ってみました、な3名。
さっきトイレにいた、営業アシスタントたちで間違いない。

「いえいえまさか!」
「遅くまでお仕事、お疲れ様ですぅ!」
「今日、ほんっと楽しみにしてたんですよ!」

西谷(にしたに)菜々美(ななみ)が、すかさず彼の腕に触れながら、潤んだ瞳を持ち上げた。

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