イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「あたし、今日坂田さんのお隣で飲んでもいいですか?」
「いいけど、オレ、隣に座った子は酔わせちゃうよ?」
「いいですよぉ、そしたら坂田さんに送ってもらっちゃお」
「へぇ、怖いもの知らずだな。どうなっても知らねえよ?」
「えぇ~どうするつもりなんですかぁ!?」
「やだぁ!」
……前言撤回。
いっぺん地獄見とこっか。
ジト目になるわたしは、きっと可愛くないと思うけど、どうか許してほしい。
「あ、中村も。途中参加でもいいから、気が向いたら顔出せよ」
ついで、みたいに顔だけこっちに向け、白い歯をこぼして笑った彼に、引きつりつつ手を振る。
見ました? あのデレきった顔!
エリートコースまっしぐら?
絵にかいたようなリア充人生?
うんうん、一度くらい思い通りにならないことを体験しとくのも、人生経験ってものよ、坂田くん!
自業自得! ってことで、放っておこう。
今夜は、わたしにとっても大事な夜。
運命の出会いが待ってるかもしれないんだから、あんな奴の将来を心配してる場合じゃないよね。
騒がしく遠ざかっていく一団から視線を剥がして、わたしは勢いよくパンプスを前へと踏み出した。