イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「んー美弥子って小っちゃいな、って言ったの」
「ちっ小!?……158センチはあるんですけどっ! 坂田くんが大きいだけ!」
むぅっと背伸びししてみせたら。
坂田くんは楽しそうな笑い声をあげ、子どもをあやすみたいに、わたしの背中をポンポンて叩いた。
「怒んなって。ちっちゃくて可愛い、って褒めてんの。めちゃくちゃ落ち着くんだよな、身長差からのこの密着度。家まで持って帰りたいくらい」
も、持って帰るって……
「わ……わたしは坂田くんのペットでもおもちゃでもないんですけど……」
一応文句を言ってはみるものの、そこに本気の拒絶はないって自覚はある。
確かに彼の言う通り、この態勢、癖になる心地よさなんだよね。
なんだか体全部で包み込まれてるっていうか、守られてるっていうか――
「当たり前だろ。ペットに欲情なんてしない」
あまりにサラリと言われてしまい、一瞬の空白。
それから、ドッと赤面した。
「……なっな、なんでそういう……」
「どうだ? そろそろオレに落ちた?」
揶揄うように頬を寄せてささやかれ、もう呼吸が止まりそうだ。
「まままさかっ! 全然! ちっとも! 落ちませんともっ!」
すぐ思いっきり、首を左右にする。
彼の不満そうな顔になんか、構ってられない。
だって強く言わなきゃ、流されちゃいそうで怖い。
それくらい……今の状況は、わたしにとってヤバかった。