イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
妙な気分になってしまうのを食い止めるべく口を開くと。
わたしの髪に顔を埋めていた彼が、「へぇ」と漏らした。
「ほんとにお前、真杉と仲いいんだな」
不機嫌そうな口ぶり……もしかしてヤキモチ?
……なわけないか。
「その時流さんがね、参考書を持って帰れって言ってたよ?」
「参考……あぁ、あれか。そっか、早くなんとかしないとな」
「すごい量だったね。MRとか書いてあったけど、興味あるの?」
「いや、興味っていうか、まぁクライアントに合わせていろいろ……今、医療系の所、新規開拓しようとしてて。それなりに知識持ってないと、話にならねえから。今日もこの後、リーズメディカルに行く予定でさ」
「え、もしかして、あのリーズグループの?」
シンガポールに本社を置く有名なグローバル組織の名前をあげると、彼がコクリと頷く気配。
「会社自体はそれほど大きいわけじゃねえけど、ここを落とせればグループ内に足がかりができるから。なんとかプレゼンに参加させてもらえたらと思って、もう必死」
「すごいな……努力してるんだね。坂田くんて、勉強とかしなくてもなんでもできちゃう気がしてた」
「なんだそれ、オレはスーパーマンじゃねえぞ?」
呆れたような口ぶりに、「そうだよね、ごめん」って素直に謝った。