イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

ほんとに、その通りだ。
一体今まで、何を見てたんだろう?

わたしは何も知らなかった。知ろうとしなかった。
彼を外車やタワマンと勝手に結び付けてた西谷さんと、何も変わらない。

仕事ができるエリート営業マン。
その事実からイメージだけ広げて、彼をこういう人って決めつけてた。

生身の彼は、ごく普通の人間。
努力家で、時々ちょっとイジワルで強引だけど、でも優しくて……


きゅん、とまた、胸の奥で音が弾ける。
日ごとに高まり、もう馴染んでしまった、どこまでも甘やかで切ないこの感覚。

これは――……


「ひゃっ」
突然首筋に濡れた何かが触れて、ピクッと肩が跳ねた。
それが彼の唇だと知り、みっともないくらい動揺してしまう。
「……なな、なにすっ……」

「ちょっとガス抜きさせて。さもないと、あっという間に限界突破しそう」

「は、……ガス抜き? 限界って……やっ」

さっきより強く、ちゅうっと吸い付かれ。
背筋をゾクリと、何かが駆け抜けた。

< 165 / 539 >

この作品をシェア

pagetop