イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

朝から頭痛がひどい。
昨夜全然眠れなかったから、そのせいだ。
クマとか、できてたりして。

BBB……

携帯の振動がポケットから伝わってきたけど、
構わず、紙コップをゴミ箱へ放って歩き出す。

相手はわかってる。
坂田くんだ。

昨夜も朝も、メッセージを未読のままにしてたから。
心配してるんだろう。

ズキリと胸を突き刺す痛みに気づかないふりして、
ランチを終えて戻るらしいサラリーマンの群れに紛れ込む。


――そうですか? 去年と同じにしか見えませんけど、オレには。

――だってしんどいだけでしょ、クリスマスなんて。

――どこもかしこも、浮かれた奴らでいっぱいで鬱陶しいし、プレゼントは強請られるし。面倒くさいイベントとしか思えないですね。


どうして気づかなかったんだろう。

高学歴、高収入のエリートで。
会社命のワーカホリックで……そう、彼は、うちの両親によく似てる。


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