イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

こんなはずじゃなかった。
その時が来たら、さくっと関係を終わらせて婚活に戻るはずだったのに……

トライアルなんて、やっぱり始めるべきじゃなかった。
最初からもっと警戒しておくべきだった、人たらしの彼と一緒にいることのリスクを。


――もうかなり気持ち、傾きかけてるんじゃないの?


確かにそうだよ、認める。
わたしの気持ちは、坂田くんに傾き始めていた。
婚活もモテ期もどうでもよくなっちゃうくらい、惹かれ始めていた。

一緒にいると楽しくて嬉しくて。
抱きしめられるとトキめいて。

この気持ちに名前がつくのも、時間の問題だって気がした。


――そのセリフ、正しくはちょっと違う。『今はまだ、本気の恋愛はする気ない』よ。

――ほんとに、まだそう思ってる? お前のこと、カラダだけだって?

――“その当時”はダメだった、でもそろそろ新しい恋をする気になった。ね? その相手が、美弥子なのかも。


――美弥子、オレお前のこと……



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